金沢21世紀美術館
会期: 2021年10月16日-2022年3月13日
「特別展 フェミニズムズ / FEMINISMS」が金沢21世紀美術館で開催されています。フェミニズムという発想の起源は、革命や人権運動の中で変化していく18-19世紀のヨーロッパで興り、その後ヨーロッパ各国やアメリカを中心に確立されていきました。日本では幕末開国時にこのフェミニズムの発想が持ち込まれ、幾度もの改革を重ね現在の社会があります。「フェミニズム」を日本語で表す場合、「女権拡張論」「女性解放論」「女性尊重主義」という言葉がしばし使われますが、国や民族の歴史的、文化や社会情勢を背景に、また近年では特に、SNSを通した個人の主張によりその言葉の解釈は無数に枝分かれしていると言えるでしょう。
今回の展覧会は、「フェミニズムズ」という複数形の言葉を使うことによって、この無数の考え方や主張に向き合い、認め合うことを目的としています。特に1990年代以降に焦点を当て、美術の側面からこのテーマを捉えていきます。1990年代は世界的なフェミニズム運動を背景に女性の活躍が取り沙汰された裏で、ジェンダーの消費が行われていたことや、“男女雇用均等法”などの法的整備が進む一方で、社会に染みついていた“女は、男はこうあるべき”という価値観が払拭しきれていない矛盾を数々抱えていました。こうした90年代から2020年代現在までに活躍する9名の現代アーティストを通して、様々なフェミニズムの表現を楽しめます。
参加アーティスト:
青木千絵:1981年岐阜県出身。漆彫刻家、ビジュアルアーティスト。人体を独特の表現で
追及した作品を発信している。
碓井ゆい:1980年東京都出身。手芸を中心に布や身近な素材を使って、
ジェンダー、社会問題を表現する。
遠藤麻衣:19474年兵庫県出身。俳優・美術家として演劇や写真、漫画など
様々な方法を用いてメッセージを発する。
百瀬文 :1988年東京都出身。映像監督。近年は映像を通して
身体と声の関係を問いかける
風間サチコ:1972年東京都出身。木版画を用いた表現で権力や社会、
歴史といった大きなテーマを映す。
木村了子:1971年京都府出身。伝統的な技法を用いた日本画で
女性目線の男性像を表現する
西山美なコ:1965年兵庫県出身。80年代後半から90年代前半にかけて、
誇張した少女文化を立体・平面作品で表現する。
森栄喜 :1976年石川県出身。写真家。家族を題材にした作品を多く発表し、
近年は同性婚をテーマにしたシリーズなどを発信している。
ユゥキユキ:静岡県出身。オタクカルチャーを通して社会や内面の深い部分を
表現する現代美術家。
今回記事として取り上げました作家の作品集や関連書籍、また現代美術作家の画集や写真集は重点商品として幅広く取り扱いをしています。買取も積極的にしていますので、現代美術の作品集をお売りされる際にはご相談ください。
1965年生まれ、アメリカのコンセプチュアル彫刻家、トム・フリードマンの、2002年にミラノのプラダ財団で開催された展覧会の図録。
オブジェ、立体・空間作品、インスタレーションなどが、多数カラー掲載されています。
函入り、2冊組。