中国の陶磁器についての歴史的解説とその魅力| 古本買取セシルライブラリ

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中国の陶磁器について

■ 磁州窯、宋代の作品の特徴とは

磁州窯(じしゅうよう)とは、六朝時代から現代まで、中国河北省で製造される陶磁器及びその陶窯のことです。
磁州窯の中でも宋代に作られた磁州窯は質が高く査定額も高くなっています。

今回は『宋代に作られた磁州窯の特徴』について解説していきます。

□宋代の磁州窯

唐滅亡後、10世紀の五代十国の時代には窯業が盛んになり陶磁器は貴族だけでなく大衆の日常生活にも使われるように実用的なものに変化しました。
宋の時代には、生活で使用する際に必要な丈夫さだけでなく、美しさが陶磁器に求められるようになり、器形・釉(うわぐすり)・文様が特徴的で美しい陶磁器が生産されることになりました。
宋代の磁州窯は日本では絵高麗と呼ばれて、観賞用の骨董品として高い価値を持っています。

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清朝陶磁    曜変天目茶碗の研究    

□特徴1.「器形」

五代十国時代以前の磁州窯は金属器・漆器・玉器の形状をモデルに作られていましたが、実用的とは言えない独特の形状の陶磁器が多くありました。
五代十国時代以降の磁州窯は実用的な形状に変わり、宋代の磁州窯は口や底が丁寧なだけでなく全体的に美しい形状をしています。

□特徴2.「釉(うわぐすり)」

磁州窯の中には青磁(せいじ)と呼ばれる青色の磁器や白磁(はくじ)と呼ばれる白色の磁器があります。
10世紀に作られていた美しい青磁・白磁といった磁器は皇帝への献上品として使用されるなど一般大衆に使用されるものではありませんでしたが、宋の時代には美しい磁器を大量に製造する技術と釉薬が発達し、様々な色の磁州窯が作られています。

□特徴3.「文様」

宋以前、唐の時代には陶磁器に文様を意識的につけ加えることはあまりありませんでした。
10世紀代に素地に線を彫って文様をつけた陶磁器が見られるようになり、その後浮彫りや型押しが文様に用いられるようになります。

宋の時代になると大量製造のために型押しの文様が多く用いられましたが、磁州窯では白化粧を削り灰色の素地とのコントラストを文様としたり(白掻落とし)、白化粧の上に黒絵具をかけ黒絵具を削ったり(白地黒搔落とし)、白化粧の上に黒絵具で文様を筆で描いていく(白地鉄絵)などの方法が行われました。
その他に、宋三彩や宋赤絵といった技法で文様がつけられた磁州窯もあります。


以上が『宋代に作られた磁州窯の特徴』についての解説でした。
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