金沢21世紀美術館
会期:2016年1月2日(土)- 3月21日(月)
戦後日本現代美術を代表する書家、井上有一(1916?1985年)の大回顧展です。
有一は、従来の書の概念に捉われることなく、筆の赴くまま、荒々しく、ただひたすらに書き続け、
生涯を通じて三千点以上の膨大な作品を残しました。
世界的にも高い評価を得ています。
本展は初期から晩年までの200点が展示されています。
抽象表現主義にインスピレーションを得た書、ボンドや凍らせた墨など素材と描法に工夫を凝らしたシリーズ、戦争の悲惨さを自らの体験から作品化した《東京大空襲》などの多文字書など多彩な表現の数々。
自由な書の世界を充分に堪能できます。
●「貧 井上有一」
出版社名:岩崎芸術社
発行年月:1998年9月
サイズ :26×19cm
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ソフトカバー
経済成長の中でひたすら「貧」を書いた書家・井上有一
の作品66点を収録。
東京国立近代美術館
会期:2016年1月13日(水)-2月28日(日)
日本抽象美術の創始者であり、創作版画の大成者、恩地孝四郎(1891-1955)の大回顧展です。
恩地は1914年に東京美術学校に通う田中恭吉・藤森静雄とともに木版画と詩の同人誌『月映』を創刊。
また装幀家として萩原朔太郎詩集や室生犀星の作品を手掛け評価を高めます。
その後、ヨーロッパの新思潮に共鳴した作品、イメージと言葉とデザインの総合が試みられた詩版画集、
重厚な肖像版画など活躍の幅を広げます。戦後は、外国人コレクターたちの理解と励ましを受け、
抽象美術に専念しました。
今回注目すべき展示は海外に流出していた約60点の重要作です。その他にも、木版画、油彩、水彩・素描、
写真、ブックデザインが紹介され、恩地の多彩な世界が堪能できます。
●「恩地孝四郎 色と形の詩人」
開催 :1994-1995年 横浜美術館ほか
サイズ :333ページ 22×15cm
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近代日本版画の質の向上と普及に生涯を捧げた版画家、恩地孝四郎
の初期から晩年の作品282点カラー掲載。
333ページある厚めの図録です。
森美術館
会期:2015年10月31日(土)- 2016年3月6日(日)
オタクカルチャーと日本美術をハイブリッドさせる手法で国際的にも評価の高い現代美術家、
村上隆の大型個展です。
絵画史上最大級といってよい全長100メートルに及ぶ大作《五百羅漢図》が日本初公開。
本作は、東日本大震災後にいちはやく支援したカタールへの感謝を込めて、震災の翌年2012年に
ドーハで発表されました。この巨大な作品は日本中の美術大学から集められた200人を超える
スタッフによって、短時間で一気に完成されました。
宗教と芸術、人間の死や限界がテーマとなっており、村上の新たな創作の境地を示しています。
本作の他、日本美術の伝統に取り組んだ新作の数々も展示。
成熟期を迎えた村上の壮大なエネルギーに圧倒される内容です。
●「Murakami」
著者名 :Dick Hebdige,Midori Matsui,Scott Rothkopf
出版社名:Rizzoli
発行年月:2007年
サイズ :376ページ 33×26×4cm
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ハードカバー
テキスト:英語
2008年から2009年
にロサンゼルス現代美術館などで開催された展覧会の際に発行された
作品集です。
ルイヴィトンのモノグラムはじめ、絵画やオブジェなど、多数の作品
がカラー掲載されています。
東京都現代美術館
会期:2015年11月8日(日)- 2016年2月14日(日))
60年間、前衛美術やポピュラーカルチャーのフィールドで活躍を続けてきたオノ・ヨーコ(1933-)の、
作家としての源流を読み解く展覧会です。
日本に生まれたオノは自由学園で音楽教育を受け、芸術と生活とが結びつく考え方に接しました。
後の夫、ジョン・レノンとの音楽活動にも影響を与えたことでしょう。
本展はオノがアーティストになるよう育んだものや初期の活動を紹介しています。
また、オノの代表作でありコンセプチュアル・アートにおける重要作品『グレープフルーツ』の
膨大なタイプ原稿や、初版本も紹介されています。
鑑賞者の想像や行為を呼び覚ます、オノ独自の美術様式の生成過程を伺い知ることができます。
●「アヴァンギャルド60’s」
著者名 :吉岡康弘
出版社名:新潮社
発行年月:1999年4月
サイズ :314ページ 20×15cm
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ソフトカバー
マン・レイに激賞された初期作品群、セックスシンボル
若林美宏をモデルにした過激なエロス表現、そして工藤
哲巳、勅使河原宏、大島渚、足立正生、若松孝二、オノ
ヨーコ、一柳慧、武満徹、土方巽たちとの交遊。前衛芸
術に明け暮れた60年代アヴァンギャルドたちの青春記。。
(以下帯の説明文より-----)
兵庫県立美術館
会期:2015年12月8日(火)- 2016年2月14日(日)
20世紀イタリアを代表する画家ジョルジョ・モランディ(1890-1964)の日本では17年ぶりとなる個展です。
ありふれたびんや花瓶などを地味な色彩で描いた静物画。人物のいない風景画。
モランディの作品は静謐で、繊細で、瞑想的な魅力で我々を惹きつけてやみません。
彼のスタイルは20世紀西洋美術史のなかでも他に例がなく、特異な存在感を放っています。
本展はモランディ美術館の全面的な協力のもと開催され、約100点の油彩、水彩、版画、素描作品を展示。
もちろんモランディの真骨頂ともいうべき同一モチーフによるヴァリエーションも。彼が生涯をかけた探究した
美の世界を追体験することができます。
●「Lo Studio Di Giorgio Morandi」
著者名 :Gianni Berengo Gardin
出版社名:Edizioni Charta Srl
発行年月:1993年
サイズ :79ページ 24×22cm
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ハードカバー
テキスト:イタリア語
さまざまな芸術運動が生まれては消えていった20世紀において、
独自のスタイルを確立し、静物画を中心にひたすら自己の芸術を
探求したイタリアの画家、ジョルジオ・モランディのアトリエ写真集。
イタリアの写真家、ジャンニ・ベレンゴ・ガルディンによるモノクロ
フォトが、多数掲載されています。
神奈川県立近代美術館
会期:2015年8月15日(土) - 2015年12月23日(水・祝)
戦後日本を代表する彫刻家、若林奮(1936-2003)。
1970年前後から国内の主たる野外彫刻展などで受賞を重ね、
国外でも2度のヴェネツィア・ビエンナーレなどで高い評価を得ました。
鉄、木や石膏、硫黄などを素材に大気や水、光といった彫刻にしがたい対象を作品に取り込んだ若林。
作品には、私たちを取り巻く外界はすべて振動をもっており彫刻は振動を感じ取る手段となりえる、
という考えが通底しています。
本展のタイトルにある「飛葉と振動」とは若林が最晩年の彫刻に名づけた言葉。
木の葉が飛来し、光や大気と共に自らも振動する場。
自然と人間との共生を求め続けた作家がたどり着いた空間であり、「庭」を想い起こさせます。
本展では、そういった若林の「庭」をめぐる制作に光をあてています。
《軽井沢・高輪美術館の庭》、《神慈秀明会神苑みそのの庭》、《緑の森の一角獣座》、
《4 個の鉄に囲まれた優雅な樹々》中心に展示。
これまで充分に紹介されてこなかった若林の創作の一面に迫ることができます。
●「若林奮 1989年以後」
開催 :1997年 名古屋市美術館ほか
サイズ :171ページ 25×19cm
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ハードカバー
鉄や銅、鉛などの素材を使い、深い自然観に基づく思索的な作品を
制作する現代彫刻家、若林奮による1989年以後の彫刻、ドローイング
作品を60点以上掲載しています。
NIMAO(国立国際美術館)
会期:2015年7月25日(土)ー9月23日(水)
国際的に活躍するドイツ出身の写真家ヴォルフガング・ティルマンス(1968- )の大規模な個展です。
ティルマンスは、現代美術界で重要な賞の一つ、イギリスのターナー賞(2000年)や、偉大な業績を上げた
写真家に贈られるハッセルブラッド国際写真賞(2015年)を受賞した現代写真界のフロントランナー。
本展は200点近くの近作・新作を中心に、昨年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で発表された
映像インスタレーションを展示。
ティルマンス自身がデザインした展示空間のなかで、独自のインスタレーション空間を堪能できます。
日常的なモチーフの写真を通じて、政治経済など地球上の諸問題に対する、彼自身の見解がビビッドに伝わってきます。
●「 hysteric eight ヒステリックグラマー」
出版社名:Verlag der Buchhandlung Walther Konig
発行年月:2007年 初版
サイズ :432ページ 31×22×3cm
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ハードカバー
テキスト:ドイツ語、英語
写真を並べたインスタレーション・プロジェクト、「Truth Study
Center」はじめ、様々なカラー&モノクロのスナップフォトが、多数
掲載されています。
原美術館
会期:2015年5月23日(土)〜2015年8月30日(日)
アメリカ抽象表現主義及び20世紀を代表するアーティストのひとり、サイ・トゥオンブリー
(1928-2011)の日本初となる個展。
トゥオンブリーは一貫して落書きのようにも見える即興性の高い作品を発表し続けました。
激しい色彩感覚のもと、クレヨン、チョーク、ペンキを用いて文字・数字・記号をランダムに
描ける技法を確立。
そこでは“描画された詩”と呼ばれる、スピード感溢れるイメージ空間が展開されています。
本展では彼の1953年から2002年までの紙の作品約70点が紹介されています。
●「Cy Twombly Bilder Paintings 1952-1976 Volume 1」
著者名 :Heiner Bastian
出版社名:Propylaen Verlag
発行年月:1978年
サイズ :30×27×2.5cm
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ハードカバー
テキスト:ドイツ語
アメリカ出身の現代抽象表現主義の画家、サイ・トゥオンブリーの画集。
1952年から1976年までのアブストラクト・ペインティングが、
98点カラー掲載されています。
ページ数の記載はありませんが約2.5cmの厚さがあります。
広島県立美術館
会期:2015年3月25日〜2015年5月24日
マドリード・リアリズムと呼ばれる潮流の中でスペイン美術界でも
最も注目されたリアリズム絵画の画家、磯江毅。
広島市立大学芸術学部教授でもあった磯江毅の初期の作品から絶作まで、
代表作約100点が展示されています。
●「増補 磯江毅 写実考 Enlargement Gustavo ISOE's Works 1974ー2007」
出版社名:美術出版社
発行年月:2009年3月
サイズ :216ページ 28×23cm
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磯江毅=グスタボ・イソエ
マドリード・リアリズムの異才
東京ステーションギャラリー
会期:2015年3月21日〜2015年5月17日
PICASSO and The 20th Century Art
Masterpieces from the Museum of Modern Art, Toyama
キュビスムからシュルレアリスム、抽象絵画、ポップアートと
ピカソの芸術活動の歩みとともに2世紀美術の展開を概観する
内容となっています。
マン・レイ、デルヴォー、フォンタナ、フランシス・ベーコン、ジャスパー・ジョーン
アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒター、ドナルド・ジャッドほか
代表的な47作家の100点の作品が楽しめます。
●「Pablo Picasso The Illustrated Books Catalogue Raisonne」
著者名 :Sebastian Goeppert,Herma Goeppert-Frank
出版社名:Patrick Cramer Publisher
発行年月:1983年
サイズ :426ページ 33×24×4cm
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クロス函入。
ハードカバー
テキスト:英語
ピカソの挿絵本のカタログレゾネ作品集。
1905年から1974年までの作品が、モノクロ&カラーで156点掲載。