北海道立帯広美術館
会期:2021年7月17日-2021年9月26日
20世紀のグラフィックデザインに大きな衝撃を与えたアーティスト、アドルフ・ムーロン・カッサンドル(本名:アドルフ・ジャン=マリー・ムーロン)のポスターや原画などの関連資料を紹介する展覧会です。1901年にロシア帝国(現在のウクライナ)に生まれたカッサンドルは、十代半ばの頃パリに移住し、絵画をはじめ美術について学びます。1920年代に入ると、画家として生計を立てるための活動の中で、食い扶持とし広告のためのグラフィック・デザインの仕事を引き受けます。
当初のカッサンドルは広告ポスターについて、「売り手と公衆の単なるコミュニケーション手段」として大きな情熱を抱いてはいませんでした。しかし、シンプルでいて洗練されたインパクトのある作品は、モダン建築やアール・デコ、キュビスムなど次々に確立するスタイルで混沌に沸くフランスにいおいて大きな反響を呼びます。
思わぬ評価を得たカッサンドルは、大衆と広告デザインについての学びと考えを改め、この道に進むことを決意。 後の1926年にデザイン事務所「アリアンス・グラフィック」を設立し、20世紀を代表するグラフィック・デザイナーと評されるまでの活躍をします。30年代、40年代になると芸術活動の幅を広げ、舞台芸術や絵画などを手掛けています。
今回の展覧会では、ファッションブランド「BA-TSU」の創業者兼デザイナー、故松本瑠樹氏のコレクションより、保存状態の良好な代表作から貴重な資料まで、多数紹介しています。
今回記事として取り上げましたカッサンドルのポスターデザイン、グラフィックデザインの作品集や関連書籍は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特にポスター関連のデザイン集は買取も積極的にしていますので、カッサンドルのデザイン本を処分・お売りされる際にはご相談ください。
目黒区美術館
会期:2021年7月13日-2021年9月5日
日本の伝統的な「包む」スタイルに注目し、昭和の近代化に逆行するように自然素材のパッケージを収集、研究したデザイナー、岡秀行のコレクションを紹介する展覧会。岡秀行は明治38年福岡生まれ、図案を学んだ後に商業デザイナーとなり、昭和の美術界、デザイン界に貢献する活動を行います。
海外での国際パッケージ展に関わったことをきっかけに、日本の「包む」文化に興味を抱き、収集を始めます。工業生産が当たり前となる時代において、忘れられつつっあった木、竹や笹、藁、土、和紙などの自然素材と、長い歴史で育まれた生活の知恵と高度な包装技術を用いたパッケージを紹介した展覧会や書籍は大きな反響を呼び、後に「TSUTSUMU(包む)」という言葉とともにアメリカで巡回展を行うに至りました。
目黒美術館では、1988年に展覧会「5つの卵はいかにして包まれたか 日本の伝統パッケージ展」を行ったことをきっかけにコレクションを多数譲り受けました。
今回の展覧会では、食品や酒類などのパッケージを「木 / 竹/ ソフトの他の自然素材 / 土/ 藁/ 紙/ 布/ その他」と素材ごとに分け、そこに岡秀行のまなざしを交えて紹介しています。奈良県「釣瓶鮓」、宮城県「ささらあめ」や「琉球泡盛」、「おひねり」など日本の伝統技術と美意識を凝縮した約400点の作品が展示。
今回記事として取り上げました岡秀行の作品集をはじめ、パッケージデザイン、工業デザインの作品集や関連書籍は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に工業デザインの洋書は買取も積極的にしていますので、デザイン本を処分・お売りされる際にはご相談ください。
豊田市美術館
会期:2021年7月10日-9月20日
抽象絵画のパイオニアで知られる、オランダ出身の画家ピート(ピエト)・モンドリアンの日本では23年ぶりとなる展覧会です。
1872年にオランダ・アメルスフォールトに生まれたモンドリアンは、幼少の頃から絵画へ興味を抱き、美術学校で学びます。初期には主にオランダの風景を写実的に描いていましたが、パリに在住した1912年前後の時期にはキュビスムやパリ前衛運動に影響を受け、追求していきます。
特に大きな影響を受けたピカソやブラックらのキュビズムの理論をさらに深掘りし、モンドリアンが芸術誌「デ・ステイル」で唱えた幾何学的抽象芸術理論は「新造形主義」と呼ばれ、本格的な抽象絵画の確立となりました。黒の垂直線、水平線を合わせた柄に数種の原色を使った“コンポジション”シリーズはモンドリアンの代表作となり、後の芸術表現やファッション界などに大きな影響を与えることになります。
今回の展覧会では、国内外から集められたモンドリアンの作品50点以上を展示し、初期の風景画からコンポジションシリーズまでの画風の変遷を楽しめる内容となっています。また、モンドリアンと同時代に活躍した芸術家や、芸術誌「デ・ステイル」に関わったテオ・ファン・ドースブルフ、ヘリット・リートフェルトなどのアーティスト(建築家)に関する資料も合わせて20点以上紹介しています。
今回記事として取り上げましたモンドリアンの画集、作品集や展覧会の図録、関連書籍は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に洋書の大判画集は買取も積極的にしていますので、画集や美術書を処分・お売りされる際にはご相談ください。
西宮市大谷記念美術館
会期:2021年6月18日-9月26日
近年では新国立競技場の設計にも大きく貢献し、現代日本を代表する建築家のひとり、隈研吾の大規模展覧会です。日本の現状と風土に向き合った作品を数多く提案し、それぞれの土地にある、特色や背景を組み込んだ建築作品は海外からも称賛されました。そして、現在までに世界各地の建築設計を担当、数々の建築賞を受賞。今回の展覧会では、そんな世界各地にある多くの作品の中から、規模に関わらず公共性の高い68件の建築物を選び出し、紹介しています。
建築物を隈氏の提唱する5つの原則「孔」「粒子」「やわらかい」「斜め」「時間」に分類し、本人による解説と模型や写真などの資料などと共に展示します。
また、「東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則」では、下から見上げるネコの視点で都市の生活を見直すということをテーマに、隈研吾氏の信条とする土地とその未来につて考えるという内容のリサーチプロジェクトも発表されました。映像作品では、瀧本幹也、藤井光、津田道子などのアーティストとのコラボレーションにより、隈研吾作品をさまざまな視点から眺め、VRでは360度のリアルな映像で体感できる内容となっています。コロナ禍という時代の分岐点で、建築と公共性の未来について考えるきっかけとなる展覧会になります。
今回記事として取り上げました隈研吾の建築作品集や展覧会の図録、関連書籍は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に建築の作品集や建築解説書は買取も積極的にしていますので、建築書を処分・お売りされる際にはご相談ください。
西宮市大谷記念美術館
会期:2021年4月3日-7月25日
写真家石内都の関西では初となる大規模展覧会です。
石内都は1947年、群馬県桐生市に生まれ、神奈川県横須賀で育ちます。高校時代にデザインへの興味を持ち、多摩美術大学大学に入学。挫折を経てしまいますが、後に写真と出会い、以後独学で活動を行います。1977年に複雑な心境を抱いていた地元、横須賀を撮影した初個展「絶唱、横須賀ストーリー」を開催。1979年に発表した「APARTMENT」での木村伊兵衛賞をはじめ、2014年にハッセルブラッド国際写真賞(国内では3人目、アジア人女性初)など数々の名だたる賞を受賞します。
2005年ヴェネツィア・ビエンナーレで発表した「マザーズ」では亡くなった母親の身体や遺品を撮影した作品を発表し、のちに代表作となる「ひろしま」、「フリーダ 愛と痛み」へのきっかけになります。遺品をただのモノにすることなく、目に見えない時間を切り取ったような写真表現は世界中から注目されました。
「石内都展 見える見えない、写真のゆくえ」では、それら代表作に加え、初期の作品「連夜の街」、国内初公開の「Moving Away」や新作まで「The Drowned」、これまでに発表する機会の少なかった作品など、約200点の作品を紹介しています。2018年に拠点を故郷群馬県桐生市に移し、新たな生活を始めた石内都の写真のゆくえと出会うことができる内容になっています。
今回記事として取り上げました石内都の写真集や展覧会の図録、パンフレット関連は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に写真集は買取も積極的にしていますので、石内都の写真集や作品集を処分・お売りされる際にはご相談ください。
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
会期:2021年4月10日-6月6日
銅版画家・浜口陽三の妻であり、自身も銅版画家としてフランス・日本をはじめ世界中で評価を集めた南桂子の作品を多数紹介する展覧会です。
1911年生まれ、富山県出身の南桂子は早くに両親を亡くす境遇ながら、女学生の頃には既に絵画や詩など創作活動に興味を示していました。30代になると童話や洋画を芸術家に師事して学び、展覧会への絵画の出品などを行います。後に夫となる浜口陽三との出会いものこの頃で、1954年には共にパリに渡り本格的に銅版画を手掛けるようになります。
少女や植物など童話のような世界観や色彩を繊細に表した作品は銅版画の新たな表現として注目され、やわらかな作風はユニセフのカードや教科書の表紙などに採用されました。「南桂子生誕110年記念「蝶の行方」展」では、今なお世界中に愛好者の居る南桂子の、銅版画を中心とした作品を初期から晩年まで約50点のほか夫・浜口陽三の作品10点を前期と後期分け展示します。また、南桂子が収集したアクセサリーコレクションも同時に紹介し、作品にも共通するような世界観を楽しむことができます。
今回記事として取り上げました南桂子の画集や展覧会の図録、パンフレット関連は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に大判の画集は買取も積極的にしていますので、画集や美術書を処分・お売りされる際にはご相談ください。
世田谷美術館
会期:2021年3月20日-2021年6月20日
ニューヨークブルックリンを拠点に、世界中で活躍しているアーティストKAWS(カウズ)の日本では最大規模になる個展。2001年に渋谷パルコで開催された個展「KAWS TOKYO FIRST」と同タイトルであり、「原点回帰」への気持ちが込められてします。
KAWSは1974年、アメリカ・ニュージャージ出身であり、子どもの頃から表現することを好んでいました。10代ですでにアーティストとしての頭角を現し、ニューヨークの芸術大学“スクール・オブ・ビジュアル・アーツ”を卒業した後は個人活動を行います。“サブバータイジング” や有名アニメの制作に携わるなどのキャリアを重ね、アーティスト、デザイナーとしての地位を確固たるものとして今日に至ります。特に“サブバータイジング” の活動は注目を集めることとなります。
アニメなどのポップカルチャーに影響を受けた作風は親しみやすく、大胆なパロディや色使い、「× ×」で表現された目のキャラクターたちは、誰もが一度は見かけたことがあるほど有名です。その印象的なデザインを生かして大衆から高級ブランドまで、アパレル業界とのコラボレーションも話題になります。「KAWS TOKYO FIRST」では、デザイナーのほか、画家や彫刻家、多岐にわたって活躍するKAWSの初期から近作まで、150点以上の作品を展示しています。また、KAWS自身がコレクションしている作品や実際に活動しているスタジオの再現など、関連資料も多数紹介しています。
今回記事として取り上げましたカウズ KAWSほかポップカルチャー系のアート集、やストリートアート系の画集は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に洋書の画集は買取も積極的にしていますので、ストリートアート、画集を処分・お売りされる際にはご相談ください。
世田谷美術館
会期:2021年3月20日-2021年6月20日
フィンランド出身、20世紀を代表する巨匠アルヴァ・アアルトとその妻、アノイ・アアルト(アノイ・マルシオ)。共に建築家として活動した夫妻の25年間の軌跡を紹介する展覧会です。
1924年にアルヴァの立ち上げた個人事務所でアノイがアシスタントとして働きはじめ、半年後に二人は結婚、仕事上でもパートナーとして重要な役割を果たします。1920年代当時は欧州をはじめ世界的に近代建築運動の全盛期であり、モダニズム建築の成立した時代でもあります。アルヴァもこの流れのなかでモダニズムを取り入れた作品を発表していきますが、コンクリートや鉄などの人工的な素材と合理性の追求にのみ傾く流れからは抜け出し、自然の素材や有機的建築の思想を取り入れた独自のスタイルを確立していきます。
アルヴァを著名にしたこのスタイルは、フィンランドの自然とアノイとの生活を楽しむ中から生まれたものであると考えられ、その思想は建築のみにとどまらずインテリアなどのデザインを生み出しました。同じく妻のアノイも多数の作品を発表し、二人は公私ともに影響し合うパートナーでした。アルヴァ作り出した作品は後の建築界、そして世界的に評価されている北欧デザインに大きな影響を与えます。「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド 建築・デザインの神話」では、アノイの功績と作品にも注目し、そこからアルヴァの思想と作品を見つめ直す機会となっています。
今回記事として取り上げましたアルヴァ・アアルトの建築作品集は関連書籍は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に洋書の建築作品集は買取も積極的にしていますので、建築書を処分・お売りされる際にはご相談ください。
東京国立近代美術館
会期:2021年3月23日-2021年5月16日
幕末から明治にかけて、西洋の文化が流れてくるようになると日本の美術界もまたそれに大きな影響を受け、技術、表現の幅を大きく広げていきました。西洋の個性と自由の思想は日本の芸術家たちの欲望や想像を引き出すきっかけにまなります。
「あやしい絵」とは、このような背景のもと生まれた、“美しい” “キレイ”という表現からは一線を画した、美しさの中に狂気や妖艶など影の部分を表現している、心にどこかひっかかるような作品を紹介しています。非現実、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといったイメージを表現した画家の作品が楽しめます。
美人画で知られた上村松園の、女性の美しさの中に悲哀や嫉妬を込めた名作「焰」や「花がたみ」のほか、鏑木清方の異色作「妖魚」、甲斐庄楠音の「横櫛」、秦テルヲ、橘小夢などの日本画から、ひとつのジャンルとなった月岡芳年の無惨絵などテーマに沿った名作が多数展示されています。また、絵画と同じく過渡期をむかえていた文学作品にに添えられた挿絵や雑誌に掲載された絵、版画などのほか、ミュシャやダンテ、エドワード・バーン=ジョーンズ、オーブリー・ビアズリーなど、日本の芸術家たちに大きな影響を与えた西洋画家たちの作品等、幅広い分野から出品されています。「あやしい絵」の詳しい解説や謎解きも用意されており、新しい発見に繋がる内容にもなっています。
今回記事として取り上げました非現実、退廃的、幻想的、エロティックといったテーマを作風としてもつ画家の作品集は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特に現代画家の画集はは買取も積極的にしていますので、美術書、画集を処分・お売りされる際にはご相談ください。
国立新美術館
会期:2021年2月3日-2021年5月10日
現代を代表するグラフィックデザイナーのひとり、佐藤可士和氏の過去最大規模となる個展が国立新美術館で開催されています。
1965年東京都生まれの佐藤可士和氏は、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業の後、多くの有名クリエイターを輩出した博報堂に入社します。1980年代後半の当時、まだごく一部にしか普及していなかったマッキントッシュを駆使した作品を製作するなど、斬新な仕事を追求していきました。そして、より自身の可能性を広げるため2000年に独立、株式会社「SAMURAI」を立ち上げ、国内外の広範囲で活躍します。
「佐藤可士和展」では、そうした約30年にわたるクリエイティブ活動を佐藤氏本人がプロデュースした構成・空間で紹介しています。現在、日常にとけ込んでいるユニクロや日清等の代表的なロゴも、工夫された展示方法より新たな発見と楽しみに繋がっています。会場内には、佐藤氏が制作したロゴのほか、広告や商品のパッケージの数々、数々の賞を取ったSMAPとのコラボレーション作品や建築、幼少の頃の作品まで大きく7つのテーマに分け展示されています。
これまで目にしてきた佐藤可士和とSAMURAIが手がけてきた仕事がまるごと空間として“体験”できる内容です。
今回記事として取り上げました佐藤可士和など広告デザインに関連した本や作品集は洋書和書を問わず重点商品として幅広く取り扱いをしています。特にグラフィックデザインやタイポグラフィの作品集は買取も積極的にしていますので、デザイン関連の本をお売りされる際にはご相談ください。