キース・ヘリング展 アートをストリートへ(森アーツセンターギャラリー)
■ キース・ヘリング展 アートをストリートへ
森アーツセンターギャラリー
会期: 2023年12月9日--2024年2月25日
1980年代にニューヨークでストリートアートのムーブメントを牽引したキース・ヘリングは、その鮮やかな色彩とシンプルな線で描かれた人や動物のモチーフで世界的に知られるアーティストです。1980年代初頭にニューヨークの地下鉄構内で使用されていない広告掲示板にチョークで絵を描く活動、「サブウェイ・ドローイング」で注目され、知名度を上げていきました。身近な場所にアートを掲げることで、秩序を失いつつある社会へのメッセージを強く発信し、子どもたちへの希望と未来を託す活動の中にはいつも、「アートはみんなのために」という信念がありました。同時代に活躍したアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアやアンディ・ウォーホルらとともにアート界を大いに盛り上げ、国際的にも高い評価を受けました。
今回の展覧会では、10年程の短い活動期間の中から、キース・ヘリングの活動の象徴とも言える「サブウェイ・ドローイング」のほか、代表作「イコンズ」、6mの大型作品やポスター、壁画、衣服、陶器など日本初公開の作品まで作品150点を展示します
作品を展示する空間は光や闇、80年代のニューヨークを彷彿とさせる喧騒など、キース・ヘリングが創作活動で辿った劇的な10年のストーリーを演出するものになっています。
・活動初期のサブウェイ・ドローイング。これは、使用されていない地下鉄の広告板にチョークで描いた作品で、彼のアートの原点とも言えます。彼はこのプロジェクトで、多くの人々にアートに触れる機会を提供しました。本展では、この貴重な作品を7点見ることができます。
・トレードマークとなったモチーフによる作品『イコンズ』。これは、彼が繰り返し用いた人や動物のモチーフを集めたシリーズで、アートのエッセンスを感じることができます。例えば、光り輝く赤ん坊は、人間の完全な姿であり、未来への希望の象徴であると考えていたそうです。また、犬は彼の友情や忠誠心を、飛行機は彼の自由や冒険心を、放射能マークは彼の社会への警鐘を表しています。
・彫刻や立体作品。絵画だけでなく、彫刻や立体作品も制作しました。本展では、イラストをそのまま立体化したような不思議な作品を見ることができます。これらの作品を公共の場に設置することで、人々とのコミュニケーションを図ろうとしました。彼の作品は、見る人によって様々な解釈ができるように意図的に曖昧にされており、アートと観客の関係性を重視していました。
・晩年の大型作品。HIV・エイズに感染したことを公表した後も、アートで闘い続けました。本展では亡くなる前年に制作した6メートルに及ぶ大型作品を見ることができます。これは舞台美術として制作したもので、彼のアートの集大成とも言える作品ですです。この作品では生涯に渡って描き続けたモチーフが複雑に絡み合い、彼の内面の世界を表現しています。自分の死と向き合いながらも、生命の尊さや希望のメッセージを伝えようとしました。 以上が、キース・ヘリング展の見どころやおすすめな点です。キース・ヘリングのアート作品は、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることでしょう。
今回の展覧会は社会のメッセージ性もあり多角的に楽しめます。自身が当事者であったHIVの予防の呼びかけや、性的マイノリティへの偏見など、ヘリングの作品を通して現代でも解決していない社会問題への問いを考えるきっかけにもなりそうです。
今回の展覧会は社会のメッセージ性もあり多角的に楽しめます。自身が当事者であったHIVの予防の呼びかけや、性的マイノリティへの偏見など、ヘリングの作品を通して現代でも解決していない社会問題への問いを考えるきっかけにもなりそうです。キース・ヘリングやストリートアートの画集を処分される際にはご相談ください。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「キース・へリング アートはすべての人のために」
著者名 :中村キース・ヘリング美術館
出版社名:美術出版社
発行年月:2017年8月 初版
サイズ :199ページ 30×21cm
-
ソフトカバー
グラフィティとアートの架け橋となり、ストリートから一気に天国に行った男。中村キース・ヘリング美術館の所蔵品を中心に、HIV、エイズ予防啓発活動や児童福祉活動も展開したキース・ヘリングの精力的な創造活動の軌跡を追う
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「アートランダム6 キース・ヘリング ArT RANDOM KEITH HARING」
著者名 :Keith Haring
出版社名:京都書院
発行年月:1989年 初版
サイズ :31×23cm
-
ハードカバー
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Keith Haring The Political Line」
著者名 :Dieter Buchhart,Julian Cox,Robert Farris Thompson
出版社名:Prestel Publishing
発行年月:2014年
サイズ :256ページ 32×27×2.5cm
-
ハードカバー
テキスト:英語
キース・ヘリングの2014年から2015年にサンフランシスコ美術館で開催された展覧会の図録。
初期からのペインティング、ドローイング、造形作品が、206点カラー掲載されています。
-
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Keith Haring」
著者名 :Elisabeth Sussmann
出版社名:Evergreen/Benedikt Taschen
発行年月:1998年
サイズ :295ページ 31×31×4cm
-
ハードカバー
テキスト:フランス語
ペインティング&ドローイング、立体、写真などの作品が、多数カラー掲載されています。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Keith Haring」
著者名 :Bernice Murphy
出版社名:Charta
発行年月:1994年
サイズ :261ページ 28×24×2.5cm
-
ソフトカバー
テキスト:英語
キース・ヘリングの1994年から1997年にヨーロッパ各地・シドニーなどで開催された展覧会の図録。
ペインティング、ドローイング、オブジェなどが、132点カラー掲載されています。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Keith Haring, Andy Warhol, and Walt Disney」
著者名 :Bruce D. Kurtz
出版社名:Prestel
発行年月:1992年
サイズ :240ページ 30×25×2cm
-
ソフトカバー
テキスト:英語
キース・ヘリング/アンディ・ウォーホル/ディズニー展の図録。
ディズニーの原画や背景画、ポスターなどと、キース・ヘリング、アンディ・ウォーホルによるディズニーのキャラクターをモチーフにしたドローイングやシルクスクリーン作品が、カラー&モノクロ図版で多数掲載されています。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Luna Luna Andre Heller」
著者名 :Andre Heller,Hilde Spiel,Sabina Sarnitz
出版社名:Wilhelm Heyne Verlag
発行年月:1987年
サイズ :321ページ 30×21×2.5cm
-
ハードカバー
テキスト:ドイツ語
画家/彫刻家/建築家/舞台美術家/文学者/音楽家らによる、ハンブルクの移動遊園地スタイル現代美術館、「ルナ・ルナ」の作品集。
アンドレ・ヘラー/ソニア・ドローネー/ローラン・トポール/エルテ/サルヴァドール・ダリ/デイヴィッド・ホックニー/リキテンスタイン/フンデルトヴァッサー/キース・ヘリング/バスキア/ヨーゼフ・ボイス/エーリッヒ・ブラウアーなど、様々な現代アーティストによる作品が、多数カラー掲載されています。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Life Doesn't Frighten Me」
出版社名:Stewart, Tabori and Chang
発行年月:1996年
サイズ :32ページ 31×26cm
-
ハードカバー
テキスト:英語
アメリカの詩人、マヤ・アンジェロウのポエムに、ジャン=ミシェル・バスキアがイラストを手掛けた絵本です。
キース・ヘリングとストリートアートに関連する作品集、図録や関連書籍
●「Banksy's Bristol Home Sweet Home」
著者名 :Steve Wright
出版社名:Last Gasp Ronald E. Turner, Publishers
発行年月:2007年
サイズ :103ページ 24×23×1.5cm
-
ハードカバー
テキスト:英語
ストリートアートを世界各地にゲリラ的に描くという手法を取るロンドンの覆面芸術家、バンクシーの作品集。
郷里ブリストルにおける、消失した初期作品から代表作までを多数掲載しています。