サイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)の人物像と代表作の特徴
■ たいへん人気な現代美術家のひとり
サイ・トゥオンブリーは20世紀の美術を代表する巨匠とも言われている美術家であり、日本でも数多くの美術館で展覧会が行われています。
彼が描く絵画は一見、子供のいたずら書きのようにも見えますが、芸術的価値は大変高いのです。
そこで今回は、サイ・トゥオンブリーの作品の価値がなぜそこまで高いのか、その人物像をご紹介します。
□サイ・トゥオンブリーとは
1928年にアメリカのヴァージニア州にあるレキシントンという都市で生まれました。
ボストン美術館付属美術学校とニューヨークの美術学生連盟で美術を学んだ後、1950年代後半からは、ロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらと共に作家としての活動をはじめます。
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□彼独自の表現方法が確立された背景
当時のアメリカは抽象表現主義と呼ばれる新しい美術の形が世界を圧巻しており、サイ・トゥオンブリーは、抽象表現主義の代表的芸術家であるジャクソン・ポロックなどと一緒に芸術表現の可能性を模索していました。
しかし、1960年に入ると、アメリカが抽象表現主義からポップアートやミニマルアートに移り変わりゆく中で、サイ・トゥオンブリーは古代や地中海文明の歴史に興味を持っていたために、彼独自の表現方法を生み出しました。
その中でも、手で描くという身体的表現にはこだわり続けました。
□サイ・トゥオンブリーの代表作品
サイ・トゥオンブリーの作品のほとんどは、これまでの世界の歴史の中で生まれた文学や芸術、さらに詩などをモチーフに使用しています。
*アクションペインティング
筆を一切使わずに、棒などから絵の具を垂らせたり、棒を振って絵の具を飛ばしたりして描く表現方法です。
内に秘めたエネルギーを即興的で爆発的に表現した絵の具の飛沫や線は、彼自身がアメリカ陸軍に従軍していた時の経験が作品に影響を与えたと言われています。
*自由な材料選び
作品を描くにあたって、絵の具だけではなく、クレヨンやチョークを使用したり、紙の上に紙を貼るコラージュを併用することも特徴の一つです。
色彩の使い方も非常に華やかで、年々激しさが増しており、作品を通して激情や直感などがダイレクトに伝わってきます。
以上、サイ・トゥオンブリーの人物像から作品までをご紹介しました。
今まで美術にあまり興味がなかった方も、ぜひ一度サイ・トゥオンブリーの展覧会が開かれている美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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