ヨーロッパ現代美術 コンセプチュアルアートについて
■ 「コンセプチュアルアート」とは?
「コンセプチュアル・アート」についてご存じですか?
コンセプチュアル・アートはヨーロッパ現代美術のひとつです。
今回は、コンセプチュアル・アートとは何か、その起源と発展の背景について詳しくご紹介いたします。
□コンセプチュアル・アートについて
ヨーロッパの現代美術であるコンセプチュアル・アート(Conceptual art)は、1960年代頃に行われた、世界的な前衛芸術運動のことです。
この運動による作品は、作品自体に込められた思いや背景が重要視されるものとなっています。
そのため、作品の中には絵画や彫刻などのいわゆる伝統的な作品だけでなく、作家の行為そのものが作品とされている場合もあります。
.
□コンセプチュアル・アートの起源と発展の背景
コンセプチュアル・アートは、フランス出身であるマルセル・デュシャンが1910年頃に手がけた作品に由来しています。
従来の美術制度への批判的精神、改革への意欲により発展したと言われており、写真や電話などの情報、流通メディアが頻繁に使用されました。
□代表的な作品
コンセプチュアル・アートにおける代表的な作品をご紹介していきます。
*泉
こちらは、コンセプチュアル・アートの先駆けとなったマルセル・デュシャンの作品です。
便器に彼のサインがされているだけの作品ですが、その作品と鑑賞者が対峙することによって、頭の中で解釈され、最終的に完成するのがアートだということを表している作品となります。
こちらは現代アートに多大なる影響を及ぼしている、コンセプチュアル・アートの原動力となった作品として知られています。
*芸術家の呼吸
ピエロ・マンゾーニというミラノで活躍した芸術家の作品です。
膨らませた風船を木の台座の上に付けて、その後に空気を抜くという行為自体が作品となっています。
この風船は膨らみすぎた当時の美術界を表しており、彼は保守的な美術に対して疑問を呈していた人物として知られています。
□ソル・ルウィット(1928-2007)について
コンセプチュアル・アートを考える上で、「ソル・ルウィット」という重要人物がいます。
彼はアメリカ合衆国の美術家で、「アートを一から再創造する」ことに取り組みました。
完成作品の出来映えではなくアイデアを重視し、幾何学的な配列によって様々な作品を生み出した人物です。
このようにコンセプチュアル・アートという現代美術の独創性に寄与しました。
□まとめ
今回はコンセプチュアル・アートについてご紹介しました。
その起源や代表作品、重要人物について、ご理解いただければ幸いです。
理解を深めて美術鑑賞をより一層楽しんでくださいね。