「クララとお日さま」
カズオ・イシグロ(著)
土屋正雄(訳)
坂川朱音+鳴田小夜子(装幀)
ショートヘアで浅黒くて、
とてもかわいいフランス人みたいな
AF(少年少女小さい方の為の
人工知能を搭載したロボット)
この小説の語り手クララです。
人と接し観察し学習能力の高い
クララの人工知能。
人は、優しさもあれば時に
恐ろしいほどのエゴを出します。
背景にある格差社会と、
人との関わりでクララの真直ぐな思いが
心を締め付けるほど切なく温かい。
この物語はとても多くの問題を
含んでいます。
カズオ・イシグロ氏の描く
キラキラとしたその景色や
光りやにおいまでも感じられ
映像を観るかのような
自然描写と相俟って
素晴らしい物語となっています。
読後、穏やかな気持ちで
心満たされました。
そして素直さを忘れないでいたいと。
福田利之氏の装画も
可愛らしくとても素敵です。